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マンション管理適正化法60条(管理業務主任者証の交付等)

【解説】

1.管理業務主任者証(第1項)

管理業務主任者試験に合格した者は、登録をして、さらに管理業務主任者証の交付を受けて初めて管理業務主任者となります(第2条9号)。

第1項に「登録を受けている者は ~ 管理業務主任者証の交付を申請することができる」と規定しており、管理業務主任者証の交付の前提として、管理業務主任者の登録が必要である旨を示しています。

この管理業務主任者証の記載事項は、施行規則74条に規定されており、以下のものです。

①登録番号及び登録年月日
②管理業務主任者証の交付年月日
③管理業務主任者証の有効期間の満了する日

ここで注意すべきは、上記の中に「勤務するマンション管理業者の商号又は名称」というのが入っていないことです。

管理業務主任者登録簿の記載事項には、「マンション管理業者の業務に従事する者にあっては、当該マンション管理業者の商号又は名称及び登録番号」(施行規則72条1項6号)というのがありますが、管理業務主任者証にはこれは書かれません。


2.講習(第2項)

管理業務主任者証の交付を受けるためには、それが新規の場合であれ、更新の場合であれ、講習を受講する必要があります。

管理業務の実施に必要な法令等は、どんどん改正されていきますので、管理業務主任者証の更新等の際に講習を受講して、最新の知識を補充する必要があるからです。

そして、その講習は交付の申請の日前6月以内に行われるものでなければいけません。

ただ、例外的に講習を受講せずに管理業務主任者証の交付を受けることができる場合があります。「試験に合格した日から1年以内に管理業務主任者証の交付を受けようとする」場合です。

この場合は、最新の知識で管理業務主任者試験に合格していますので、受講の必要がないからです。


3.有効期間(第3項)

管理業務主任者の登録は、一生有効ですが、管理業務主任者証は「5年」という有効期間の定めがあります。

したがって、5年ごとに管理業務主任者証の更新が必要となり、そのたびに第2項の講習を受講する必要が出てきます。


4.返納(第4項)

管理業務主任者証は、登録をしていることが前提なので、登録が消除されたときは、管理業務主任者証も効力を失います。

また、登録は効力があっても、たとえば5年の有効期間満了後、管理業務主任者証を更新しなければ、管理業務主任者証の効力だけが失われます。

このような場合には、速やかに管理業務主任者証を国土交通大臣に「返納」しなければいけません。「廃棄」ではありません。


5.提出(第5項・第6項)

管理業務主任者は、第64条2項の規定による禁止の処分(事務禁止処分)を受けたときは、速やかに管理業務主任者証を国土交通大臣に提出しなければいけません。

事務禁止処分を受けている間は、重要事項の説明等ができませんので、管理業務主任者証をそのまま管理業務主任者に持たしておくと、事務禁止処分に違反してしまう可能性があるからです。

なお、第4項は「返納」、第5項は「提出」の規定ですが、「返納」というのは、無効になった管理業務主任者証を国土交通大臣に返す場合で、「提出」というのは、管理業務主任者証はまだ有効であることを前提に、一時的に国土交通大臣に返す制度です。

したがって、事務禁止処分の期間が満了すれば、管理業務主任者から返還の請求があったときは、直ちに国土交通大臣は、管理業務主任者証を返還する必要があります。注意点は、国土交通大臣は返還の「請求」がなければ返還する必要はないということです。


6.管理業務主任者証の再交付(施行規則77条)

管理業務主任者は、管理業務主任者証を亡失・滅失・汚損・破損したときは、国土交通大臣に管理業務主任者証の再交付を申請することができますが、これはマンション管理士登録証と同趣旨の規定ですので、第31条(マンション管理士登録証)の中の施行規則29条の解説を参照して下さい。