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民法7条(後見開始の審判)

【解説】

1.成年被後見人・被保佐人・被補助人の定義

成年被後見人・被保佐人・被補助人は、いずれも精神上の障害がある人で、その程度に差があるという違いがあるだけです。

ただ、この三者の程度の違いを法律の条文の文言でみると微妙な違いしかないので注意が必要です。

上図が定義です。この区別をしっかり付けて下さい。パッとみるとどれも同じように見えますので、違いを書きましょう。

定義の中に、「事理を弁識する能力」というのが出てきますが、これは三者に共通する言葉です。

「事理を弁識する」とは、物事の判断ができるという程度の理解でいいです。

「成年被後見人」は、この能力を「欠く」つまり、能力がないということです。

「被保佐人」は、能力があるけれども「著しく」不十分な人です。

「被補助人」は、能力があるけれども不十分な人です。被保佐人と被補助人は、「著しく」という言葉があるかないかだけの違いです。

これらの定義から分かりますように、被補助人が一番能力があって、次に被保佐人、成年被後見人は一番能力がありません。