民法239条(無主物の帰属)

【解説】

1.無主物の帰属

本条は、無主物(所有権のない物)の帰属について、動産の場合(第1項)と不動産の場合(第2項)に分けて規定している。

2.所有者のない動産(第1項)

この「所有者のない動産」(以下、無主物といいます。)は、所有の意思をもって占有した者が、所有権を取得します。

まず、この無主物といえるためには、現在誰の所有にも属していない物のことを指しますが、これは最初から誰の所有にも属していない物は、これに該当することは明らかです。たとえば、山野の鳥獣はそれを狩った者が所有権を取得します。また、海や川で釣った魚は、釣った人が所有権を取得することになります。

また、過去に誰かの所有に属していたことは明らかだが、現在その相続人に帰属するとは考えられないような物も、無主物に該当します。たとえば、古代人の遺物などです。

ただ、没落し流散した旧家の古い屋敷跡から掘り出された金貨のように、かつては誰かの所有に属し、かつ、現在のその相続人の所有に属すると考えられるが、現在それが誰の所有に属するのか判然としない場合は、「埋蔵物」(第241条)になり、無主物には該当しません。

さらに、所有者が所有権を放棄した物についても、無主物に該当します。

そして、これらの無主物を「所有の意思」をもって占有した者が、この無主物の所有権を取得します。 →「所有の意思」は民法180条「占有権の種類~自主占有と他主占有」を参照して下さい。

3.所有者のない不動産

これは国庫、つまり国に帰属します。