相対的効力の原則

民法440条(相対的効力の原則)

第440条 第434条から前条までに規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。

【解説】

連帯債務において、一番問題となるのは、何と言っても「絶対効」「相対効」といわれるものです。

上図で、BがAに1,500万円全額支払うと、CもDも債務を免れます。

これはBの履行(弁済)という行為によって、CとDもその影響を受け、債務を免れたわけです。

このように連帯債務者の一人の行為が、他の連帯債務者に影響を及ぼすことを「絶対効」があるといいます。つまり、「履行(弁済)」というのは、絶対効があります。

逆に、連帯債務者の一人の行為が他の連帯債務者に影響を及ぼさないことを「相対効」といいます。

この絶対効・相対効については、最初に全体を大きく整理しておきましょう。

原則:相対効
例外:絶対効(7つある)

以上が、全体の仕組みです。連帯債務者の一人が行った行為は、原則的には他の債務者に影響を及ぼしません。つまり、相対効です。

しかし、例外的に他の債務者に影響を及ぼすものが、7つあります。

勉強するには、先に例外となる7つの絶対効を覚え、その他は相対効だと覚えておけばいいわけです。

この相対効は、7つの絶対効以外ということですから、例としては何でもいいんですが、たとえば、「AはBにだけ期限を猶予した」と出たら、これは相対効です。7つの中に「期限の猶予」なんて出てきませんでした。

「Bは債務を承認した」と出たら、これも相対効です。7つの中に出てこなかったからです。時効の中断事由の中に、「請求」というのがありましたが、「請求」は絶対効ですが、同じ時効の中断事由でも「承認」というのは絶対効ではありません。これも注意して下さい。

それ以外にも、取消しや無効(434条)、時効の利益の放棄、時効の停止、連帯債務者の一人の過失や遅滞、連帯債務者の一人に対してなされた判決の効力などです。

以上より、この7つの絶対効を覚えるのが、連帯債務の勉強の中心になります。

これはもう法律でそう決まっているので、覚えるしかないと思います。