※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。

民法523条(遅延した承諾の効力)

【解説】

本条は、遅延した承諾の効力についての規定であるが、本来承諾期間内に承諾の意思表示が申込者に到達しなければ、申込の効力は失われ、契約は成立しない。 →民法521条2項参照

したがって、申込者又は承諾者が改めて契約の効力を望む場合には、改めて申込を行って、それに対して承諾する必要があるはずです(下図参照)。

しかし、もともと遅延しているとはいえ、承諾というのは、申込に対応したものですから、申込と同様の内容を持つので、この承諾を新たな申込とみなしても問題はないはずです。

したがって、申込者において、遅延した承諾を新たな申込とみなすことができれば、上図のような二度手間を取ることもなく、取引の迅速化を図ることができます。

なお、この規定においては、申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことが「できる」だけであり、必ず新たな申込と「みなされる」わけではないことに注意して下さい。