※この記事は一般的な条文解説で、宅建等の資格試験の範囲を超えた内容も含みます。当サイトの記事が読みやすいと感じた方は、当サイトと資格試験向け教材の関係をご覧下さい。【解説】

※このページは、平成25年12月11日改正以前の法律に基づく解説です。

1.相続分~第一順位の相続人の場合

相続人を確定すると、次はその相続人にどれくらいの財産が相続されるのかという相続分を確定させる必要があります。

まず、第一順位の相続人の場合、つまり配偶者+子という場合の相続分ですが、この場合は配偶者が1/2、子が1/2です。配偶者が2人いるということはないので、配偶者は一人で1/2です。子は当然複数いる場合がありますので、1/2を人数分で均等に割ります。

子の相続分に関しては、もう一点。嫡出子と非嫡出子の相続分に注意して下さい(第4号)。非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の1/2になります。

嫡出子と非嫡出子は、第一順位の相続人であるという相続の順位に関しては同じですが、「相続分」は異なるということです。



ちょっとややこしい例ですが、これが分かればこのあたりは大丈夫でしょう。Aには配偶者Bがいて、Bとの間に子Cがいます。Aには前妻Dがいて、Dとの婚姻中に子Eが生まれています。それとは別に、Aは婚姻していないFとの間に子Gがいます。Aが死亡したときに、Aの財産を誰がどれだけ相続するでしょうか。

相続人を確定しましょう。まず現在の配偶者Bは、相続人です。

その子Cも相続人。

前妻というのは、現在の配偶者ではありませんので、相続人ではありません。

ただ、Eは間違いなくAの子供ですし、Dとの婚姻中に生まれている子供ですので、「嫡出子」です。

Fは、Aとは婚姻していませんので、法律上の配偶者ではなく、相続人にはなりません。

しかし、GはAの子供であることは間違いないので相続人になりますが、婚姻していないFとの間の子供ですので、「非嫡出子」になります。

以上で、相続人はB・C・E・Gと確定します。

次は、相続分です。まず、Bは配偶者で1/2で確定。

あとは、残りの1/2をC・E・Gで分けますが、GはC・Eの1/2しか相続分がありませんので、1/2をC:E:G=2:2:1の比率で分けます。したがって、Cは2/10、Eも2/10、Gは1/10となります。最終の結論は、Bは1/2、Cは2/10、Eも2/10、Gは1/10となります。ちなみに、試験の問題はこのような割合で問われることもありますが、遺産が○○万円ある、というふうに金額で聞いてくることもあります。そのときはこの割合を掛けるだけです。