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第106条(復代理人の権限等)


【改正法】
(復代理人の権限等)
第106条 復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、その権限の範囲内において、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
【旧法】
(復代理人の権限等)
第107条 同上

2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、旧法では第107条の内容を、第106条に移動したものです。

内容的には、第1項はそのままで、第2項で、復代理人は代理人と同一の権利・義務を有しますが、それはあくまで「その権限の範囲内において」であるという文言が追加されています。

しかし、これは旧法においても同様に考えられていましたので、改正によって旧法と内容が変わったということではなく、旧法の内容を敷衍して正確に表すために上記文言を追加したのだと思われます。

ちなみに、復代理人の代理権の権限の範囲は、代理人から授権された内容によります。そして、復代理人の権限は、代理人の権限の範囲を超えることはできません。つまり、復代理人の権利義務の範囲は、必ずしも代理人の権利義務と同一ではありません。あくまでも、代理人の権限の範囲内で、しかも代理人から復代理人に授権された内容の範囲で、復代理人は代理人と同一の権利を有し、義務を負うということになります。改正法は、この点を条文の文言上も明確にしているわけです。