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第284条(地役権の時効取得)


【改正法】
(地役権の時効取得)
第284条 土地の共有者の一人が時効によって地役権を取得したときは、他の共有者も、これを取得する。

2 共有者に対する時効の更新は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。

3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の完成猶予の事由があっても、時効は、各共有者のために進行する。
【旧法】
(地役権の時効取得)
第284条 (同上)

2 共有者に対する時効の中断は、地役権を行使する各共有者に対してしなければ、その効力を生じない。

3 地役権を行使する共有者が数人ある場合には、その一人について時効の停止の原因があっても、時効は、各共有者のために進行する。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

今回の改正は、「債権」関係に関するものですが、物権については大きな改正はなされていません。しかし、債権関係に関する改正に伴って、いくつか改正がなされています。本条もその一つです。

本条は地役権の時効に関する規定ですが、時効に関する規定は、今回の改正で大幅に変更されています。つまり、旧法では時効の「中断」、「停止」とされていたものを整理し、時効の「更新」と「完成猶予」に整理しています。その内容については、第147条の解説をご参照下さい。

それに伴い、第2項の「中断」は「更新」に、第3項の時効の「停止の原因」は時効の「完成猶予の事由」というふうに文言を訂正しています。本条については、それだけの改正です。