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旧第535条(停止条件付双務契約における危険負担)


【改正法】
削除
【旧法】
(停止条件付双務契約における危険負担)
第535条 前条の規定は、停止条件付双務契約の目的物が条件の成否が未定である間に滅失した場合には、適用しない。

2 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰することができない事由によって損傷したときは、その損傷は、債権者の負担に帰する。

3 停止条件付双務契約の目的物が債務者の責めに帰すべき事由によって損傷した場合において、条件が成就したときは、債権者は、その選択に従い、契約の履行の請求又は解除権の行使をすることができる。この場合においては、損害賠償の請求を妨げない。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

この部分は、前条と同様、旧法の規定を削除するものです。

旧法は、停止条件付双務契約における危険負担を規定したものですが、もともとこの規定の合理性には疑いが持たれていました。第1項で、目的物が「滅失」(目的物が「全部」滅失したという意味)した場合には、前条の危険負担の債権者主義を修正して債務者主義を適用していますが、第2項で目的物が「損傷」(目的物が「一部」損傷したという意味)した場合には、相変わらず債権者主義を適用しています。このように「滅失」と「損傷」で異なる取り扱いをすることについては、その合理性に疑問が持たれています。

そもそも、前条で債権者主義の規定が削除されていますし、旧法自体の合理性のなさもあって、削除されたものだと思われます。