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第561条(他人の権利の売買における売主の義務)


【改正法】
(他人の権利の売買における売主の義務)
第561条 他人の権利(権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む。)を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。
【旧法】
(他人の権利の売買における売主の義務)
第560条 他人の権利を売買の目的としたときは、売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負う。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

本条は、旧法でいうと第560条になりますが、内容的には旧法560条がそのまま移行されています。

ただ、カッコ書きが追加され、「権利の一部が他人に属する場合におけるその権利の一部を含む」という部分のみ追加されています。

旧法560条は、他人物売買において、売主は「その権利を取得して買主に移転する義務を負う」という規定です。このように全部他人物売買において、売主に買主への権利移転義務を負わせていますが、これについて一部他人物売買についても同様のはずで、他人に属する権利が一部の場合であっても、同様にその一部について売主に権利の移転義務を負わせることを明文化しました。