建替え円滑化法57条(権利変換計画の決定及び認可)

第57条 施行者は、前条の規定による手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならない。この場合においては、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の認可を受けなければならない。

2 施行者は、前項後段の規定による認可を申請しようとするときは、権利変換計画について、あらかじめ、組合にあっては総会の議決を経るとともに施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者の同意を得、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得なければならない。ただし、次に掲げる者については、この限りでない。
一 区分所有法第69条の規定により同条第1項に規定する特定建物である施行マンションの建替えを行うことができるときは、当該施行マンションの所在する土地(これに関する権利を含む。)の共有者である団地内建物の区分所有法第65条に規定する団地建物所有者(第94条第3項において単に「団地建物所有者」という。)
二 その権利をもって施行者に対抗することができない者

3 前項の場合において、区分所有権等以外の権利(第45条3項参照)を有する者から同意を得られないときは、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えて、第1項後段の規定による認可を申請することができる。

4 第2項の場合において、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときは、その確知することができない理由を記載した書面を添えて、第1項後段の規定による認可を申請することができる。

【解説】

前条の第56条の規定により権利変換を希望しない旨の申出に対する手続が終了すると、権利変換を受ける者と受けない者が確定する。そして、施行者は、この手続に必要な期間の経過後、遅滞なく、権利変換計画を定めなければならないことになっています。この権利変換計画も都道府県知事等の認可が必要です(第1項)。

ただ、この認可の申請には、まず総会の決議を得る必要があります。「権利変換計画及びその変更」は第27条7項で総会の決議事項とされており、その決議要件は、組合員の議決権及び持分割合の各5分の4以上の特別決議とされています(第30条3項)。

さらに、施行マンション又はその敷地について権利を有する者(組合員を除く。)及び隣接施行敷地がある場合における当該隣接施行敷地について権利を有する者、個人施行者にあっては施行マンション又はその敷地(隣接施行敷地を含む。)について権利を有する者の同意を得る必要があります(第2項)。これは権利変換によって施行マンションの関係権利者が重大な影響を受けるからです。ただ、①特定建物である施行マンションの建替えの場合、土地共有者である団地建物所有者と、②その権利をもって施行者に対抗することができない者の同意は不要です。

なお、区分所有権等以外の権利(施行マンションとなるべきマンション又はその敷地について権利を有する者のうち、区分所有権、敷地利用権、敷地の所有権及び借地権並びに借家権以外の権利-第45条3項)については、権利変換により損害を与えないような措置を講じることができるので、これらの者の同意が得られなくても、その同意を得られない理由及び同意を得られない者の権利に関し損害を与えないようにするための措置を記載した書面を添えれば、認可を申請することができます(第3項)。さらに、区分所有権等以外の権利を有する者を確知することができないときも、その確知することができない理由を記載した書面を添えれば、同様に認可を申請することができます(第4項)。

建替え円滑化法57条(権利変換計画の決定及び認可)