都市施設、都市計画施設

【解説】

この言葉が、宅建で登場するのは、法令上の制限>都市計画法ですが、実は都市計画法では「都市施設とは、~です」というような明確な定義規定はありません。正確に言うと、一応定義はありますが、「都市施設とは、都市計画において定められるべき第11条第1項各号に掲げる施設をいう」と定義されていますが、その第11条を見ますと、具体例しか載っていなくて、内容的に都市施設とはどういうものか、という定義はありません。

その第11条第1項各号というのを見ますと(ここは神経質に見なくていいです。ザッと目を通すだけでいいです)、以下のようになっています。

一 道路、都市高速鉄道、駐車場、自動車ターミナルその他の交通施設
二 公園、緑地、広場、墓園その他の公共空地
三 水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場その他の供給施設又は処理施設
四 河川、運河その他の水路
五 学校、図書館、研究施設その他の教育文化施設
六 病院、保育所その他の医療施設又は社会福祉施設
七 市場、と畜場又は火葬場
八 一団地の住宅施設(一団地における五十戸以上の集団住宅及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
九 一団地の官公庁施設(一団地の国家機関又は地方公共団体の建築物及びこれらに附帯する通路その他の施設をいう。)
十 流通業務団地
十一 一団地の津波防災拠点市街地形成施設(津波防災地域づくりに関する法律第二条第十五項に規定する一団地の津波防災拠点市街地形成施設をいう。)
十二 一団地の復興再生拠点市街地形成施設(福島復興再生特別措置法第三十二条第一項に規定する一団地の復興再生拠点市街地形成施設をいう。)
十三 一団地の復興拠点市街地形成施設(大規模災害からの復興に関する法律第二条第八号に規定する一団地の復興拠点市街地形成施設をいう。)
十四 その他政令で定める施設

都市施設とは、どういうものかは、この具体例から見ていくことになります。そして、一般的に都市生活を営む上で最小限必要なもので、良好な都市環境を維持するために必要な施設とされています。
みなさんは、都市施設というのは、道路、公園、水道、学校のような生活に必要な公共施設、という感じで押さえておけばいいのではないかと思います。

この都市施設によく似た言葉として、都市計画施設というものがあります。この両者は「計画」という言葉があるかどうかが違います。都市(計画)施設ということです。

この都市計画施設にも、一応定義規定はあります。「都市計画施設とは、都市計画において定められた第11条第1項各号に掲げる施設をいう」とされています。
先ほどの都市施設の定義とは、「第11条第1項各号に掲げる施設」という具体例の部分は共通しているので、同じようなものと考えてもらって結構ですが、都市施設では、都市計画において「定められるべき」第11条第1項各号に掲げる施設とされているのに対し、都市計画施設では、都市計画において「定められた」第11条第1項各号に掲げる施設とされています。

つまり、都市施設というのは、都市計画法という法律で抽象的に「このような施設をいいます」と規定されている段階で使うのに対して、都市計画施設というのは、「ココにこういう道路を作ります」というように具体的に都市計画に定められた段階で使う言葉です。
内容的には同じだけども、具体的に都市計画に定められた段階で、都市施設→都市計画施設に言い方が変わりますということです。

その他の宅建用語集に戻る