下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成30年 問16

【問 16】 次のうち、消費税法によれば、管理組合が当課税期間において、必ず消費税の課税事業者となるものはどれか。

1 基準期間における管理組合が運営する売店の売上高は820万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入は120万円であり、特定期間の当該売店の売上高は750万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入は60万円であったが、特定期間の給与等支払額は1,025万円であった。

2 基準期間における管理組合の全収入は1,120万円で、その内訳は、管理費等収入が950万円、駐車場使用料収入が145万円(組合員以外の第三者からのもの28万円を含む)、専用庭使用料収入が25万円であったが、基準期間以降についても、同額の収入構成であった。

3 基準期間における管理組合の課税売上高は890万円、特定期間の課税売上高は1,020万円であったが、特定期間の給与等支払額は650万円であった。

4 基準期間における管理組合の課税売上高は850万円、特定期間の課税売上高は1,050万円であったが、特定期間の給与等支払額は1,020万円であった。

【解答及び解説】

【問 16】 正解 4

1 課税事業者になるとは限らない。まず、基準期間の課税売上高は、売店の売上高の820万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入の120万円で、合計940万円であり、1,000万円を超えていないので、この点でみれば課税事業者にあたらない。次に、特定期間の課税売上高は、売店の売上高の750万円、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入の60万円で、合計810万円であり、1,000万円を超えていないが、特定期間の給与等支払額は1,025万円で、1,000万円を超えている。しかし、特定期間の課税売上高と給与等支払額のいずれの基準で判断するかは、納税者の任意であり、当該管理組合が必ず消費税の課税事業者となるとは限らない。

2 課税事業者とはならない。本肢での管理組合の全収入は、1,120万円であるが、そのうち管理費等収入、組合員からの駐車場使用料収入、専用庭使用料収入は、課税売上高を構成せず、課税売上高を構成するのは、組合員以外の第三者からの駐車場使用料収入の28万円のみであり、これは1,000万円を超えていない。また、基準期間以降についても、同額の収入構成であるから、特定期間についても同様であり、当該管理組合は課税事業者には該当しない。

3 課税事業者になるとは限らない。本肢の管理組合の基準期間における課税売上高は890万円であり、1,000万円を超えていないので、この点でみれば課税事業者にあたらない。そして、特定期間の課税売上高は1,020万円であるが、特定期間の給与等支払額は650万円であり、1,000万円を超えていない。この特定期間の課税売上高と給与等支払額のいずれの基準で判断するかは、納税者の任意であり、特定期間の給与等支払額の650万円を基準とすれば、当該管理組合は課税事業者に該当せず、当該管理組合が必ず消費税の課税事業者となるとは限らない。

4 必ず課税事業者となる。本肢の管理組合の基準期間における課税売上高は850万円であり、1,000万円を超えていないので、この点でみれば課税事業者にあたらない。しかし、特定期間の課税売上高は1,050万円で、給与等支払額は1,020万円であり、いずれも1,000万円を超えている。したがって、当該管理組合は、必ず消費税の課税事業者となる。


【解法のポイント】本問は、消費税の「特定期間」に着目した出題でした。この問題は、以下の点をチェックして下さい。

前々年の基準期間の課税売上高が、1,000万円を超えているか?→YES=課税事業者に該当
  ↓NO
前年の特定期間(6ヶ月間)の課税売上高又は給与等支払額が、1,000万円を超えているか?→YES=課税事業者に該当
※課税売上高と給与等支払額のいずれの基準で判断するかは納税者の任意
  ↓NO
課税事業者に該当しない