下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 令和7年 問3
【問 3】 1から4までのうち、Aと建設会社Bとの間で建物甲の建築工事の請負契約が締結された場合に関し、民法の規定によれば、適切な記述のみを全て含むものはどれか。
ア Bは、甲が完成しない間は、Aに損害を賠償して当該契約を解除することができる。
イ 建築中の甲の所有権の帰属は、原則として、材料の所有者によって定まる。
ウ 落雷による森林火災が原因で建築中の甲が焼失し、完成が不能となってしまった場合には、Aは、Bの報酬請求を拒むことができる。
1 ア
2 ア・イ
3 イ・ウ
4 ア・イ・ウ
【解答及び解説】
【解法のポイント】この問題は、イが非常に難しいですが、アが「不適切」だと判断できれば、正解を出せます。
【問 3】 正解 3
ア 不適切。請負人が仕事を完成しない間は、「注文者」は、いつでも損害を賠償して契約の解除をすることができる。請負人Bが解除できるのではない。
*民法641条
イ 適切。建築中の建物の所有権の帰属について、判例は、原則として、誰が建築材料の主要部分を提供したかで、その所有権の帰属を決めている。
ウ 適切。当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者(注文者A)は、反対給付の履行を拒むことができる(危険負担の債務者主義)。
*民法536条1項
以上より、適切なものは、イとウであり、肢3が正解となる。【解法のポイント】この問題は、イが非常に難しいですが、アが「不適切」だと判断できれば、正解を出せます。