下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成18年 問13

【問 13】 Aが、マンション業者Bが一級建築士Cに設計を依頼し、建築業者Dに新築させたマンションの1室をBから購入したところ、その直後、耐震強度が著しく低く建替えをせざるを得ないことが判明した。この場合のAに対する不法行為責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 Bは、債務不履行責任及び契約不適合責任を負うほか、耐震強度が著しく低いことを知って分譲した場合は、不法行為責任も負う。

2 Cは、自ら故意により違法設計をしたときは不法行為責任を負うが、Bの指示により行ったときは不法行為責任を負わない。

3 Dは、自ら手抜き工事をしたときは不法行為責任を負うが、Cの違法設計について過失がないときは不法行為責任を負わない。

4 Cの違法設計とDの手抜き工事の両方が相まって、初めて耐震強度が著しく低いマンションが建築されたときは、C及びDは、共同して不法行為責任を負う。

【解答及び解説】

【問 13】 正解 2

1 正しい。Bは故意又は過失があれば債務不履行責任を負い、また契約不適合責任を負うだけでなく、耐震強度が著しく低いことを知って分譲した場合は、不法行為責任も負う。
*民法709条

2 誤り。Cは故意で違法設計したときに不法行為責任を負うのは当然であるが、Bの指示により設計をした場合でも、それが違法設計であることを知り又は知りえたような場合は不法行為責任を負う。
*民法709条

3 正しい。不法行為の成立には、故意又は過失が必要であるから、Cの違法設計について過失もなく、またDが手抜き工事などをしていないというのであれば、不法行為責任は負わない。
*民法709条

4 正しい。数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負う。
*民法719条1項