下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成23年 問25

【問 25】 地震によるマンションの被害の復旧等を検討する緊急の理事会における理事長の説明について、区分所有法の規定によれば、誤っているものは、次のうちどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとし、管理費の支出については総会から理事会に付託されているものとする。

1 高置水槽の支柱が破損し傾いて給水できなくなりました。本日の理事会で決議し、管理費の経常的な補修費を使って工事業者に発注し、早急に修理することとします。

2 敷地内の排水管が土砂で詰まりましたが、区分所有者Aさんが自分で土砂を取り除きました。多少の費用はかかったようですが、理事会には事前に連絡がなかったので、管理組合では負担しません。

3 敷地上のアスファルト舗装の歩道に亀裂が入りましたが、この際、歩道を彩色レンガ舗装に変更したいと考えております。これは理事会だけではできないので、次回、総会に諮ることとします。

4 建物や共用設備の被害状況の調査、安全点検を早急に実施する必要があります。本日の理事会で決議し、管理費の予備費を使って専門業者に依頼して調査・点検を実施いたします。

【解答及び解説】

【問 25】 正解 2

1 正しい。地震による高置水槽の修理は、保存行為に該当するものと認められ、管理費から支出することができる。
*区分所有法26条1項

2 誤り。敷地内の排水管から土砂を取り除くことは、保存行為に該当するが、保存行為は、各共有者がすることができる(区分所有法18条1項)。そして、これは「共用部分の負担」といえるので、各共有者は、「その持分に応じて」共用部分の負担に任じる。したがって、管理組合で負担すべきである。
*区分所有法19条

3 正しい。共用部分の変更は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決しなければならないので、次回の総会に諮ることとしたのは正しい。
*区分所有法17条1項

4 正しい。管理費の支出については総会から理事会に付託されているので、建物や共用設備の被害状況の調査、安全点検を理事会で決議し、管理費の予備費を使って専門業者に依頼して調査・点検を実施することができる。