下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
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平成26年 マンション管理士 本試験 【問 38】
【問 38】 「長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント」(平成20年6月 国土交通省公表)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 修繕工事は、建物及び設備の性能・機能を新築時と同等水準に維持、回復させる工事を指し、改修工事は、区分所有者の要望など必要に応じて、建物及び設備の性能を向上させる工事を指す。

2 長期修繕計画や修繕積立金の額の見直しを5年程度ごとに実施することを、管理規約において定めることが望ましい。

3 長期修繕計画の見直しに当たっては、修繕積立金の算定根拠をできるだけ現状に応じたものとするために、修繕工事の項目や修繕周期だけでなく、修繕工事に使用する材料単価や労務単価についても見直しを行うとよい。

4 長期修繕計画の見直しやそのために行う事前の調査・診断に要する経費は、見直しを計画的に実施するために管理費から充当することが望ましい。

【解答及び解説】

【問 38】 正解 4

1 適切。修繕工事は、建物及び設備の性能・機能を新築時と同等水準に維持、回復させる修繕工事を基本とする。また、区分所有者の要望など必要に応じて、建物及び設備の性能を向上させる改修工事を設定する。
*長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント

2 適切。管理規約に、長期修繕計画及び修繕積立金の額を一定期間(5年程度)ごとに見直しを行う規定を定めることも望まれる。
*長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント

3 適切。長期修繕計画の見直しの検討に当たっては、まず、現状の長期修繕計画の内容や修繕積立金の額が適切であるかどうかを判断する必要があります。そして、長期修繕計画は、一定の不確定な事項を含んでいますので、5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要です。また、併せて修繕積立金の額も見直します。したがって、修繕工事に使用する材料単価や労務単価についても見直しを行う。
*長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント

4 不適切。標準管理規約第32条関係コメント④によれば、長期修繕計画の作成(又は見直し)に要する経費及びそのために事前に行う調査・診断に要する経費は、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでも充当することができます。しかし、計画的に行うためには長期修繕計画に費用を計上し、修繕積立金から充当することが必要です。
*長期修繕計画作成ガイドライン及び同コメント


【解法のポイント】「長期修繕計画作成ガイドライン」の問題は、ちょこちょこ出題されますが、原文は長いので、「そう丁寧にも読んでられない」という人がほとんどでしょう。しかし、各肢の正誤は、ある程度常識的に判断することも可能です。本問の正解肢である肢4も、実質的には標準管理規約の問題といっていいでしょう。