下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成29年 問42

【問 42】 建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。[改]

1 建築主は、既存の住宅専用マンションにおいても、増築又は改築に係る部分の床面積の合計が300㎡以上となる場合は、その建築物のエネルギー消費性能の確保のための構造及び設備に関する計画を、所管行政庁に届け出なければならない。

2 建築主には、新築、増築又は改築をしようとする建築物について、エネルギー消費性能の一層の向上を図る努力義務が課せられている。

3 既存建築物の所有者は、エネルギー消費性能の向上のための修繕、模様替等をしなくても、所管行政庁に対し、当該建築物について建築物エネルギー消費性能基準に適合している旨の認定を申請することができる。

4 建築物エネルギー消費性能基準に適合する建築物を新築する場合、当該建築物について、建築基準法による容積率制限及び高さ制限の特例が適用される。

【解答及び解説】

【問 42】 正解 2

1 誤り。建築主は、原則として、すべての建築物の建築をしようとするときは、当該建築物(増築又は改築をする場合にあっては、当該増築又は改築をする建築物の部分)を建築物エネルギー消費性能基準に適合させなければならない。問題文の建築物も、単なるエネルギー消費性能の確保計画の届出ではなく、建築物エネルギー消費性能基準の適合義務がある。
*建築物省エネ法10条1項

2 正しい。建築主は、その建築(建築物の新築、増築又は改築をいう。)をしようとする建築物について、エネルギー消費性能の一層の向上を図るよう努めなければならない。
*建築物省エネ法6条1項

3 誤り。建築物エネルギー消費性能基準に適合している旨の申請は、すべての建築物の新築、増改築に際して行う必要があるものであるから、既存建築物で修繕、模様替等をしないのであれば、その旨の認定を申請することはできない。
*建築物省エネ法10条1項参照

4 誤り。建築物が「建築物エネルギー消費性能基準」に適合するだけでは、建築基準法による容積率の特例は適用されない。なお、認定建築物エネルギー消費性能「向上計画」にかかる建築物については、容積率制限の特例は適用されるが、高さ制限の特例というのは規定されていない。
*建築物省エネ法35条


【解法のポイント】本問の「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」というのは、初出題ではなかったかと思います。その意味では間違えても仕方のない問題といえるでしょう。