下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和元年 問12

【動画解説】法律 辻説法

【問 12】 Aがその所有する甲マンションの101号室をBに賃貸した場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法(平成3年法律第90号)の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 AとBとの間で、期間を3年として賃貸借契約を締結する場合に、契約の更新がないこととする旨を定めようとするときには、公正証書によって契約をしなければ、その旨の定めは無効となる。

2 Aが、Cに対し、101号室を書面によらずに贈与することとして、その所有権をCに移転し、登記したときは、AはCに対する贈与を解除できない。

3 Bは、Aの書面による承諾を得ていなくても、口頭による承諾を得ている場合は、Dに対し、101号室を転貸することができる。

4 Eが、Aに対し、Bの賃料債務を保証する場合には、書面又はその内容を記録した電磁的記録によってしなければ保証契約は効力を生じない。

【解答及び解説】

【問 12】 正解 1

1 誤り。期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等「書面」によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。必ずしも公正証書によることは要求されていない。
*借地借家法38条1項

2 正しい。書面によらない贈与は、各当事者が解除をすることができる。ただし、履行の終わった部分については解除できない。そして、この「履行が終わった」というのは、不動産の場合には、登記又は引渡とされているので、本肢の贈与は解除できない。
*民法550条

3 正しい。賃借人は、賃貸人の承諾を得れば、賃借物を転貸することができる。この承諾は、特に書面であることは要求されておらず、口頭による承諾でもよい。
*民法612条1項

4 正しい。保証契約は、書面又はその内容を記録した電磁的記録でしなければ、その効力を生じない。
*民法446条2項・3項


【解法のポイント】本問は、AがBに対して賃貸した事例であるにもかかわらず、肢2は単にAからCへの贈与の問題で、不自然ですね。ただ、内容的には基本的なものです。