下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和元年 問30

【問 30】 監事の職務や権限に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものの組合せはどれか。

ア 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならず、また、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

イ 理事が不正な行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認めるときは、監事は、理事長に対し理事会を招集するよう請求することができるが、一定期間内に理事長が招集しないときは、その請求をした監事が理事会を招集することができる。

ウ 監事は理事会への出席義務があるが、監事が出席しなかった場合には、理事の半数以上が出席していたとしても、理事会における決議等は無効となる。

エ 監事は、理事長が解任され、後任の理事長が選任されていない間に、区分所有者の一人が、規約で禁止している民泊事業(住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)に定める住宅宿泊事業をいう。)を行っていることが確認できたときは、当該区分所有者に対し、規約違反行為の是正等のために必要な勧告等を行うことができる。

1 アとイ
2 イとウ
3 ウとエ
4 エとア

【解答及び解説】

【問 30】 正解 1

ア 適切。監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。また、監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
*標準管理規約41条4項・5項

イ 適切。監事は、理事が不正の行為をし、又は当該行為をするおそれがあると認める場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。そして、この請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
*標準管理規約41条5~7項

ウ 不適切。監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならないので(標準管理規約41条4項)、監事は理事会への出席義務があるという点は正しい。しかし、理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができないとされているので、理事の半数以上が出席していれば、監事が出席しなかったとしても、理事会における決議等が無効となることはない。
*標準管理規約53条1項

エ 不適切。区分所有者が、法令、規約又は使用細則等に違反したときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる(標準管理規約67条1項)。そして、「副理事長」は、理事長が欠けたときは、その職務を行うとされているので、本肢で勧告等を行うのは、副理事長である。
*標準管理規約39条


以上より、適切なものはア及びイであり、肢1が正解となる。


【解法のポイント】監事については、法改正でその役割が以前より重要になりましたので、これを機会にしっかり確認しておいて下さい。