下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 令和7年 問2
【問 2】 X、A、B、C及びDはいずれも甲マンションの区分所有者であり、Xが管理者に選任されている。X以外の区分所有者からXに対する管理者の解任を求める訴えに関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、Xが管理者として、区分所有者全部でなく区分所有者の1人であるAに損害を被らせる不正な行為を行ったことを理由として、管理者の解任を求める訴えを提起することができる。
2 Bは、甲マンションの集会で、Xを管理者から解任する旨の議案が否決されている場合には、Xが管理者として不正な行為を行ったことを理由として管理者の解任を求める訴えを提起することはできない。
3 Cは、Xに管理者の職務を行うに適しない事情がある場合であっても、管理者としての不正な行為がないときには、Xに対する管理者の解任を求める訴えを提起することはできない。
4 Dは、Xに管理者として不正な行為があったとしても、規約に区分所有者は管理者の解任を求める訴えを提起することができない旨の定めがある場合には、Xに対して管理者の解任を求める訴えを提起することができない。
【解答及び解説】
【問 2】 正解 1
1 正しい。管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、「各」区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。したがって、Aは単独で、管理者の解任を求める訴えを提起することができる。
*区分所有法25条2項
2 誤り。管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、「各」区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。この解任請求は、集会の決議とは別に、「不正な行為その他その職務を行うに適しない事情」を根拠として認められるものであるから、本肢のBは、解任の訴えを提起することができる。
*区分所有法25条2項
3 誤り。管理者に不正な行為「その他その職務を行うに適しない事情」があるときは、「各」区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。すなわち、「不正な行為」は「職務を行うに適しない事情」の例示であり、「不正な行為」がなくても、「職務を行うに適しない事情」があれば、解任請求をすることができる。
*区分所有法25条2項
4 誤り。管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。これについて、規約で別段の定めができる旨の規定はなく、本肢の規約は無効である。
*区分所有法25条2項
【解法のポイント】この問題は、基本的なものですが、肢4の規約の定めについては、是非確認しておいて下さい。