下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和元年 問9

【動画解説】法律 辻説法

【問 9】 AがBに対して金銭の支払を求めて訴えを提起した場合の時効の完成猶予及び更新に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 訴えの提起後に当該訴えが取り下げられた場合には、特段の事情がない限り、時効の更新の効力は生じない。

2 訴えの提起後に当該訴えの却下の判決が確定した場合には、時効の更新の効力は生じない。

3 訴えの提起後に請求棄却の判決が確定した場合には、時効の更新の効力は生じない。

4 訴えの提起後に裁判上の和解が成立した場合には、時効の完成猶予及び更新の効力は生じない。

【解答及び解説】

【問 9】 正解 4

1 正しい。裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の更新の効力を生じない。
*民法147条1項

2 正しい。裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の更新の効力を生じない。
*民法147条1項

3 正しい。裁判上の請求について、請求が棄却されれば、原告の権利は認められなかったことになるので、時効の更新の効果は生じない。
*民法147条1項

4 誤り。裁判上の和解は、時効の完成猶予及び更新事由の一つである。
*民法147条1項3号



【解法のポイント】本問の肢3は、初出題だったと思いますが、肢4は、そのままではありませんが、過去問で問われたことがあります(平成9年問4肢2)。やっぱり過去問は重要です。したがって、本問は、肢3が分からなくても、消去法で答えが出ます。