下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

宅建 過去問解説 令和3年 問43

【動画解説】法律 辻説法

【問 43】 宅地建物取引業者の業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。

ア マンションの販売に際して、買主が手付として必要な額を持ち合わせていなかったため、手付を分割受領することにより、契約の締結を誘引した。

イ 宅地の売買に際して、相手方が「契約の締結をするかどうか明日まで考えさせてほしい」と申し出たのに対し、事実を歪めて「明日では契約締結できなくなるので、今日しか待てない」と告げた。

ウ マンション販売の勧誘を電話で行った際に、勧誘に先立って電話口で宅地建物取引業者の商号又は名称を名乗らずに勧誘を行った。

エ 建物の貸借の媒介に際して、賃貸借契約の申込みをした者がその撤回を申し出たが、物件案内等に経費がかかったため、預り金を返還しなかった。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 43】 正解 4

ア 違反する。宅地建物取引業者は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為をしてはならない。手付の分割受領は、この「信用の供与」に該当する。
*宅建業法47条3号

イ 違反する。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、正当な理由なく、当該契約を締結するかどうかを判断するために必要な時間を与えることを拒んではならない。
*宅建業法施行規則16条の12第1号ロ

ウ 違反する。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業に係る契約の締結の勧誘をするに際し、宅地建物取引業者の相手方等に対し、当該勧誘に先立って宅地建物取引業者の商号又は名称及び当該勧誘を行う者の氏名並びに当該契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げずに、勧誘を行ってはならない。
*宅建業法施行規則16条の12第1号ハ

エ 違反する。宅地建物取引業者は、相手方等が契約の申込みの撤回を行うに際し、既に受領した預り金を返還することを拒んではならない。
*宅建業法施行規則16条の12第2号

以上より、宅地建物取引業法の規定に違反するのは、ア~エのすべてであり、正解は肢4となる。


【解法のポイント】この問題も基本的な問題です。