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旧第562条(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)削除


【改正法】
削除
【旧法】
(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)
第562条 売主が契約の時においてその売却した権利が自己に属しないことを知らなかった場合において、その権利を取得して買主に移転することができないときは、売主は、損害を賠償して、契約の解除をすることができる。
2 前項の場合において、買主が契約の時においてその買い受けた権利が売主に属しないことを知っていたときは、売主は、買主に対し、単にその売却した権利を移転することができない旨を通知して、契約の解除をすることができる。

※上記赤字の部分が改正部分です。

【解説】

旧法の第562条(他人の権利の売買における善意の売主の解除権)の規定は削除されています。

旧法では、全部他人物売買についてのみ、善意の売主に解除権を認めていますが、他人の権利の売主が他の債務不履行責任よりも重いわけではないのに、この場合だけ特別に売主の保護を図る必要があるのか疑問です。そもそも他人の権利の売主は、その権利を取得して買主に移転する義務を負うにもかかわらず(改正法第561条)、売主が善意であるというだけで契約からの離脱を認めることへの疑問から、本条は削除されることになりました。